
こんにちは。
焼きたてのパンは幸せのかおり、ごろ寝っくまです。
突然ですが、天然酵母パンって憧れますよね。
天然酵母パンは市販品の粉末タイプの天然酵母を使うほか、リンゴやレーズンなどから自家製酵母を起こして作っている方もいらっしゃいます。
(わたしは全くやったことがありません)
今回はそんな天然酵母パンの中で、味・香り・使い勝手が良いことで名高い「楽健寺の天然酵母パン」作りに挑戦したいと思います!
天然酵母って?
「天然酵母」とはよく聞きますが、実態は何なのかというと、自然界に生息している菌のことです。
糖分を分解して炭酸ガスとアルコールを生成し、食べ物や飲み物を美味しく香り良くしてくれる、人間にとって都合のよい働きをする菌を総称して「酵母」と呼んでいるそうです。

酵母は野菜や果物などにもともと付着しており、それらを水と砂糖によって増殖させることで自家製酵母をつくることができます。
また、天然酵母を乾燥・粉末状にした市販品も存在します。(「ホシノ酵母」や「白神酵母」など)
酵母でふくらませるパンは、ドライイーストで作るものと比べて時間も手間もかかりますが、じっくり時間をかけた分、イーストにはない独特の風味、食感、香りが出てきます。

楽健寺の天然酵母は何が違う?
添加物をいっさい加えず、自然のパン種をつかうこのパンづくりは、わたしの宗教活動のひとつ。
ほんもののパンの味を少しでも多くの人が知ってくれれば。
山内博之(出家名:宥厳)さん談
1981年9月16日 朝日新聞記事より
「楽健寺の天然酵母パン」は、奈良県にある真言宗東光寺で住職をされている山内 宥厳(やまのうち ゆうげん)さんがつくったものです。
ご住職ご自身が若い時から喘息に悩まされており、その治癒のためにあらゆる健康法を試みる中で、発酵食品の持つ力に気づき、身体に良く美味しいパンをということで編み出されたそうです。
こちらの酵母はリンゴの他に、ニンジン、長芋、ご飯でつくられています。
焼き上がりがどっしりとしていて、普通にパンとして食べる他、ご飯感覚で味噌をぬって食べたり、旨味が凝縮されているのでスープの出汁として使ったり、パンという枠には収まりきらない存在のようです。
また酵母の香りがとてもよいらしく、「パンの花の香りがする」といいます。
パンの花の香り、ぜひとも嗅いでみたい!!
ということで、実際に作ってみます!
作り方
本家の東光寺さんではパンを売っている他、パン種も販売しておりネットから購入できます。👉楽健寺の天然酵母パンのページ
ですが今回はパン種から自分でつくってみます!
(レシピは山内ご住職の著書「二人ヨーガ樂健法」とネット情報を参考にしました)
パン種
まずはパンをふくらませるパン種をつくります。
ほとんど放置するだけですが、だいたい1日かかります。
- ご飯(玄米でも白米でも)……100g
- 長芋……100g
- ニンジン……100g
- リンゴ……100g
- きび砂糖(またはハチミツ)……大さじ2
- 粗塩……少々
- 強力粉……少々
1、ボウルに皮をむいてすりおろした長芋、皮付きのまますりおろしたリンゴとニンジン、すり鉢などですりつぶしたご飯を合わせて混ぜる。固いようなら水を足す。
(※酵母は野菜・果物の皮にたくさんいるので、皮付きのまま使える安全な食材をつかう)

2、そこへきび砂糖、さらに粗塩を加える。
3、さらに強力粉を加え、ゆるめの味噌のような状態になるまで混ぜる。粘らないように注意する。
4、大きめのビン(煮沸消毒しておく)にいれ、32℃で2時間発酵させる。室温なら6〜12時間。
気泡が出て2倍に膨らみ、それがしぼんで元にもどったら完成。

【保存】軽く混ぜて冷蔵庫へ
【手入れ】出来れば1日に1回かき混ぜる。発酵力が弱くなったらすりおろしリンゴや糖分を加えるとまた発酵しだす
パン
いよいよパン作りです。
発酵2回、焼くのも低温でじっくりなので、1日がかりです。
- きび砂糖……10g
- 塩……6g
- パン種……150g
- 強力粉……300g
- 水……60cc
1、ボウルにきび砂糖、塩、パン種を入れよく混ぜる。
2、そこへ強力粉と水を加えてこねる。まとまってきたら台の上で15分ほどこね上げる。
3、ひとまとめにしておしりを下にとじ、ラップを被せて2倍の大きさにふくらむまで発酵させる。(32℃なら2時間ほど)

4、発酵したらガスを抜き、生地を成形してクッキングシートをしいた天板に並べる。
5、ラップを被せ1.5倍の大きさにふくらむまで2次発酵させる(32℃で2時間ほど)。
6、パンのてっぺんに切れ目(クープ)を入れ、オーブン内とパンの両方に霧吹きする。
7、約120度のオーブンで40分ほど焼く。皮に焼き目がついたら完成。
※オーブンの種類によって時間は変わります。低温でじっくり焼くのがポイント。

実食!

焼き上がったパンはフランスパンのように皮がカッチリしています。

割ってみると、すったニンジンがチラホラ(味はしない)。
かみごたえがあり、もっちりと甘みがあります。
これにアマニ油とほんの少しの塩をつけて食べると大変美味しいです。
「パン」というとフカフカして何個でも食べられてしまうイメージがありますが、これはもっと重量感があり、プチパンサイズ一つ食べるだけでけっこうお腹もちがします。
ちょっと固いけど、よく噛むと美味しい。いつまでも味わっていたいような、今まで食べたことのない味です…!
さいごに
パン種を作ってからパンを焼いて食べるまでに丸2日間かかりました。
今まで食べたことのないような、多様な深みの味わいがあるパンが出来ましたが
口コミで聞いていたような「花のような良い香り」は今回体験できませんでした。
本家のサイトでは、パン作りについて以下のように書かれてあります。
パン種は上手にくり返して醗酵させていきますと、何年にもわたって つづけていけます。
楽健寺では昭和49年4月にパン工房を発足しましたが、研究段 階の47年から同じパン種をくり返し培養しつづけて30年にわたって元気で醗酵を 続けています。
初期の頃にくらべると酸味がへって、醗酵もいっそう安定し、よりおいしくよくふくれるようになってきています。
上達とは慣れるということですね。くりかえし醗酵していますと環境 全体が酵母菌でで満たされ、醗酵がますます安定してくるのです。
本家:楽健寺の天然酵母パンのページ
酵母を育てるのは一朝一夕ではできないということですね。これはまたチャレンジしなくては…。
みなさんも天気の良い週末につくってみてはいかがでしょうか。
きっと作る人によって全く違うパンが出来上がると思います(^^)
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
それでは、また!!